進撃の巨人 10巻

【進撃の巨人】10巻ネタバレ・あらすじ

第39話 | 第40話 | 第41話 | 第42話

 

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第39話「兵士」

あらすじ

『ベルトルト。生き延びて帰るぞ…絶対に
俺達の故郷にな』

 

大小十数体もの巨人達が、周囲から近付きつつあった。

 

時刻は真夜中。
通常、殆どの巨人は暗くなるに連れて動きも鈍くなり、夜間は殆ど活動をしなくなる。それなのに、日没からかなりの時間が経過したのにも関わらず、ここの巨人達はまるで昼間のように動きまわり、塔に立て籠もる人間達を狙っていた。

 

ズシン ズシン ズシンッ

 

足音の響きが近くなる。
中でも巨大な一体の巨人が壁に身を寄せ、塔の人間達に手を伸ばした。
一方の、巨人を迎え撃つ兵士は四人。立体機動装置に命を預け、皆が一斉に塔の上から身を躍らせる。

 

「掴まるかよ!! この!! ウスノロがぁ!!」

 

掴みかかった巨人の手指と、ゲルガーの超硬質スチールの刃が激突。落下の勢いを借りた彼の一撃は、巨人の太い指をまとめて両断。その隙を突いたナナバは、巨人のうなじにアンカーを射出。巻き上がるワイヤーの勢いに乗って、二刀の刃を巨人の首筋に叩き込む。
急所を抉られた巨人はぐらりと体を傾かせ、他の巨人を巻き添えに音を立てて倒れ込んだ。

 

「見ろよ…! 小せぇのも潰れやがったぜ! へっ…! バカ野郎が!」

 

快哉を叫ぶゲルガー。
だが、これは始まりに過ぎない。
巨人達はまだまだ数多く、戦いはまだ始まったばかり。

 

ネタバレ感想

エレンもいない、ミカサも、アルミンも、リヴァイすらいない。
そこにいるのは四人の上官と、クリスタ、ユミル、ライナー、ベルトルト、コニーの五人だけ。しかも彼ら104期兵達は、立体機動装置どころか刃の一本すら装備してはいないのです。

 

普段脚光の当たらない準レギュラーの皆さんへのスポットライト回…というには、あまりにも死亡フラグが立ち過ぎているウトガルト城の戦いが、遂に始まってしまいました。
唯一の希望は、上官であるゲルガーやナナバたちが、極めて練度の高い古参兵であることでしょう。大型の巨人は彼らに任せて、104期達の担当する巨人は塔内に侵入した小型のものだけだから。
まあ、こんな言葉が何の慰めにもならないのは、ここまでこの漫画を読み進めてこられた皆さんなら、御存知の通り。
案の定、塔内での戦いは熾烈を極めます。頼りは訓練で培った皆の団結力と、巨人を恐れぬ強い心のみ。不死身の化け物を相手取るには、いささか頼りない武器であるのは事実ですが。

 

39話のハイライト

「後は添え木と包帯が…そうだ…」
ビリィィィ(スカートを破る音)
「こんな汚い布しか無くてごめん…」
「イヤ…助かる(結婚しよ)」

 

結婚しよ! 結婚しよ!
ライナーの「結婚したい」が、ここに来てクラスアップ。さすがにクリスタ、人類存亡のカギを握る女神なだけはありますね。ネットスラングとして世に広まったあの名台詞が生まれるその瞬間を、是非皆さんも原作で味わってみて下さい。

 

「……あのさクリスタ。私も手を擦りむいちゃってさ」
「は? そんくらいツバつけとけ」

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第40話「ユミル」

あらすじ

『私はこの名前のままでイカした人生を送ってやる
それが私の人生の復讐なんだよ!! 生まれ持った運命なんてねぇんだと立証してやる!!』

 

巨人出現より二十時間後。
巨人達の第二波の襲来に、蒸発する返り血にまみれながらナナバは必死に宙を舞い、刃を振るう。

 

(まずい…もう…ガスが尽きる…)

 

空中を振り子のように振れ、回りこみつつ、ナナバは大型の巨人にアンカーを打ち込む。
巻き戻るワイヤーに乗って、刃を一閃。
正確にうなじを抉られた巨人は轟音を立てて倒れこむが…。

 

ドォォオオォォ
「クッ…」

 

沸き起こる轟音に、ナナバは思わず息を漏らす。
倒れ込んだ巨人が、塔本体を横から支えていた支塔を巻き添えにしたのだ。
支塔はあっけなく崩れ、バラバラになって崩壊する。

 

「もう塔が保たねぇな…」
「私はガスが残りわずかだ…そっちは…」
「ガスもねぇし刃も使いきった。お前もそのなまくらが最後なんだろ?」
「…あぁ」

 

脆くなり、穴だらけになった塔の外壁にぶら下がりながら、ゲルガーとナナバは互いに言葉を交わす。
尽きたのはガスと刃だけではない。怪我を負い、体力ももう限界だ。
最早満足に機動も出来ぬ二人を下から見上げ、物欲しそうに手を伸ばす無数の巨人達。
終焉が近い。

 

ネタバレ感想

殺しても殺しても湧くように現れる無数の巨人達。
「巨人一体を殺すまでに平均で三十人が死ぬ」と言われる中で、控えめに見ても敵の巨人の数はこちら側の十倍以上。いくら調査兵団の、そして最精鋭の古参兵とはいえ、彼我の物量の差は如何ともしようがありません。ガスも刃もなくなり、刀折れ、矢尽き…いや、むしろ刀が折れるまで戦い続けられた時点で、既に奇跡のようなものでしょう。

 

ゲルガーを救う為に最後のガスを使い果たし、巨人に囲まれたナナバ。
そのゲルガーも、結局は直ぐにナナバの後を追いました。

 

以前ミケが獣の巨人にやられた際もそうでしたが、進撃の巨人の際立った特徴の一つとして「キャラクターが格好良いまま死なない」という点を挙げられるのではないかと思います。
カッコいい奴、可愛い娘、勇敢な人間もそうでない人間も、皆最後は泣き喚きながら死を迎え、無残な死骸を路傍に晒す。そこには、例えば少年誌でありがちな「皆が憧れる、美しい死に様」というものはありません。
死は死であり、死体は死体。残酷なまでにありのままの死を、これでもかというほどに見せつけられる。

 

コニーは絶望の中で呟きます。
「せめて…何かこう…意味が欲しかったよな。任務も中途半端なまんま…全滅なんて…」

 

自らの死に意味を見出すことが贅沢である世界。
そのシビアな世界観が、「進撃の巨人」に鮮烈さをもたらした一つの要因なのでしょう。

 

武器を持っていた上官たちは全滅し、絶望の中で塔に取り残されたライナー達。下の巨人達によって、塔そのものが崩されるのも時間の問題でしょう。そんな中、ユミルはクリスタを守るために、ついに自らに秘められた秘密を明かす覚悟を固めます。

 

「クリスタ…お前の生き方に口出しする権利は私にはない。だからこれはただの私の願望なんだがな。
お前…胸張って生きろよ」

 

そう言って、ナイフ一本で塔から宙に身を躍らせたユミル。
彼女に隠された秘密とは、果たして…!

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第41話「ヒストリア」

あらすじ

『ユミル…
私の名前…ヒストリアって言うの…』

 

塔から身を躍らせたユミルは空中で爆発的に発光!巨人としての自らの姿を顕にする。
髪を振り乱し、サメのような鋭い牙を持つ小柄な巨人。
ユミルは巨人だったのだ!

 

巨人化したユミルは塔の外壁を足場として自在に使いこなし、猿と見紛うほどの身軽さで下にいる巨人達を翻弄した。
掴みかかってくる巨人から身を躱し、背後から首筋に噛み付き、抉り取る。抉った肉を吐き捨て、次の巨人の目を鉤爪で引き裂き、同時に勢い良く突進してくる大柄の巨人から素早く身を翻した。
目標を見失った巨人が壁にぶつかり、衝撃が塔を揺らす。

 

ドォォォ

 

「あっ」

 

胸壁から身を乗り出していたクリスタが振動で落ちかけた。
危うい所を、咄嗟にライナーがクリスタの足を掴む。

 

「あ…ありがとうライナー
いっ! いたた! ライナー、足!」

 

痛みを訴えるクリスタ。
ライナーは尚もクリスタの足を無意識に握り続けていた。慌てて走り寄ったコニーがクリスタを引っ張り上げ、そこで漸くライナーは我に返って手を離す。それほどまでに、ライナーにとってユミルの姿は衝撃的だったのだ。

 

「…クリスタ。お前は知ってたのか? ユミルが…巨人だったって…」

 

巨人化したユミルは、ライナーの脳裏にある巨人の姿を思い起こさせる。
まだ幼かった頃の自分たちを襲い、友人を喰ったあの巨人の姿を―。

 

ネタバレ感想

ユミルは実は巨人でした。
目端の利く読者であっても、これはちょっと予想できなかったのではないでしょうか?

 

巨人化ユミルと、壁の秘密を握るクリスタ。
もしかしてこの二人のユニットは、世界に対する重要度で言えば、エレンとミカサ、アルミン達主役メンバーグループよりも上なのかもしれません。結果的に104期兵達をエレンやアニから隔離した調査兵団の措置は、この時点で当たらずとも遠からずといった感じですね。恐ろしいことに、104期兵の人外率は高まっていく一方です。

 

しかし折角の巨人化ユミルですが、残念ながら周囲にいる巨人の数が多過ぎました。
いかに素早いとはいえ、巨人化ユミルは絵から判断してせいぜい3〜5メートル級。エレンやアニほどの体格があればまだしも、このサイズの巨人が周囲全ての巨人を殺し尽くすなど不可能です。

 

逃げもせず、塔を守り、自らより遥かに大きい巨人達に戦いを挑むユミル。
そんなユミルに対し、クリスタの激しい激が飛びます。

 

41話のハイライト

「死ぬなユミル!! こんなところで死ぬな!!」

 

「何いい人ぶってんだよ!! そんなにかっこよく死にたいのかバカ!!
性根が腐り切ってるのに今更天国に行けるとでも思ってるのか、このアホが!!」

 

「自分のために生きろよ!! こんな塔を守って死ぬくらいなら、もうこんなもんぶっ壊せ!!!」

 

女神クリスタぶち切れる!
進撃の巨人、結婚したい女性ランキングナンバー1。麗しき花、調査兵団の女神、クリスタ・レンズの溜まりに溜まったマグマがここに来て遂に爆発です!

 

勿論、今回のハイライトはここで決まりですよ。
個人的に、今回のこの台詞で、クリスタに対する好感度は大幅上昇。単なるいい子ちゃんではいられない、現代の女神は言う時には言うのです!

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第42話「戦士」

あらすじ

『あの時「女型の巨人」が凝視してた手の平に刃で文字を刻むこともできたかもしれない…
ライナーなら!』

 

「ユミルの奴は…一体どういう状態なんですか?」

 

ユミル、そしてクリスタ達は生き延びた。
調査兵団による救援により辛くもウトガルト城の死闘を乗り切った104期兵達は、最寄りのウォール・ローゼへと退避。重傷を負い、意識を失ったユミルは担架に乗せられ、リフトで安全な壁上にまで持ち上げられる。

 

「右側の手足が食い千切られ、内臓はスクランブルエッグにされちまったようだ…普通なら死んでるってよ」
上官の返答に、エレンはユミルに目をやりながら呟いた。
「普通なら…か」
つまり、それはユミルは普通では無いということだ。
同じ巨人化能力を持つエレンも、あるいは。

 

「どうか! 信じて下さい! 本当なんです。ユミルは私達を助けるために正体を現して巨人と戦いました!
自分の命も顧みないその行動が示すものは、我々同志に対する忠誠です!」

 

壁上で、クリスタはハンジ相手に熱弁を振るう。
理由はどうあれ、ユミルは重大な秘密を隠していた。
もしエレンのように初めからその力を人類に用立てていたら、これまでに兵団の被った人的損失も、あるいはもっと少なくて済んだかもしれない。しかも、そんなエレンですら一時は「巨人」として内地で処刑される寸前だったのだ。クリスタの弁護には自然と熱がこもる。

 

「そうか…」
日頃物静かなクリスタの振るう熱弁に、ハンジは複雑な表情で言葉を返す。
「あぁ…もちろん彼女とは友好的な関係を築きたいよ。これまでがどうあれ、彼女の持つ情報は我々人類の宝だ…仲良くしたい。ただね…彼女自身は単純でも、この世界の状況は複雑すぎるみたいなんだよね…」

 

ネタバレ感想

ウトガルト城における、悪夢のような一夜が明けました。
ナナバら上官たちの奮闘、巨人化ユミルの働き、そして城そのものを瓦礫の山と化す事と引き換えに、ライナー、クリスタら五人の104期メンバーたちは生き残ることに成功します。
また、一時は人類が遂に絶滅かと思われていた「ウォール・ローゼ破壊」の一報も、ここに来てその真偽は揺らいできました。

 

「穴がどこにも無い」

 

駐屯兵団先遣隊として、夜通し穴の位置を探して回ったハンネス。
彼は結局何処にも穴を見つけることが出来ず、それどころか道中で巨人と出会すことすらなかったと言います。
これは、一先ずは朗報と言ってよいでしょう。ハンジが推測するように、特殊な巨人が地下を掘ったと考えることも出来ますが、壁が破壊されたのでない限り、人類にも対策のしようはあるのですから。

 

危ういところで人類は、そして104期の仲間たちは窮地を脱しました。
このまま壁内の巨人達を掃討し、ユミルを安全な都市まで運べば今回の騒動も収まる…とは、そうは問屋がおろしません。

 

「俺が鎧の巨人でこいつが超大型巨人ってやつだ」

 

ライナーがエレンに投げかけた爆弾発言は、再び彼らを戦いの渦中へと導きます!

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