進撃の巨人 5巻

【進撃の巨人】5巻ネタバレ・あらすじ

特別編 | 第19話 | 第20話 | 第21話 | 第22話

 

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特別編「イルゼの手帳」

あらすじ

『今から100年以上前
“巨人”という天敵の出現により絶滅寸前にまで追い詰められた人類は
強固な壁を築くことで安息の領域を手に入れた』

 

『私はイルゼ・ラングナー 第34回壁外調査に参加
第二旅団最左翼を担当 帰還時に巨人と遭遇』

 

白と黒の翼のマーク。調査兵団のジャケットを羽織った一人の女が走っていた。走りながら、立体機動装置を捨てる。
彼女は仲間とはぐれたのだった。馬もない。立体機動装置は故障した。何の装備もない単身の人間が、壁外で生きていられる可能性はほぼない。
自らの生存が絶望的であることを、彼女、イルゼは明確に理解していた。
ともすれば挫けそうになる心を、手帳にメモを取り、状況を記し続けることで辛うじて奮い立たせる。

 

『武器は無いが私は戦える
この紙に今を記し 今できることを全力でやる』

 

それは尊い理念の発露なのか、死を前にした現実逃避なのか。どちらにしろ、彼女の記述が長く続くことは、ないだろう。

 

ネタバレ感想

今回のような番外編は、以前のリヴァイ編に続いて2度目ですね。前回リヴァイ編と同じく、今回も特別読み切りとして週刊少年マガジン本誌に掲載されました。

 

しかし大抵こういう場合、主要キャラクターの紹介に続き、軽めのミニイベントを一つこなして「みんな、別冊に連載中の本編も見に来てね♪」なんて〆で終わるのがテンプレだと思いますが…進撃の巨人の場合、そんな読者に媚びた気配は全く見られませんね。
ガチの読み切りです。宣伝という感じは微塵もありません!

 

そもそも、主要キャラがまず1人も出てこない。
登場キャラの内、一番の主要キャラはリヴァイですが、彼すらまだこの時点では本編の数ページに顔を出しただけの端役に過ぎません。この特別編の主人公であるイルゼも、のっけから死亡フラグが立ち過ぎですよ。可哀想すぎて、正視できないくらいです。

 

話そのものは、進撃の巨人の根幹にある「巨人ってぶっちゃけ何なの?」という謎に迫る作りになっています。
絶望の中、一人森を彷徨うイルゼは、そこで一人の巨人に出会い、その巨人の示した奇行、反応について死の淵に瀕しながらも記述を続ける、という。
まあホラー作品定番の「窓に!窓に!」形式ですが、進撃の巨人でそれをやられると、これがまた大変に怖い。半端に巨人と言葉を交わせそうで交わせないところとか、もう最悪です!

 

この話が本編のストーリー紹介、キャラクター紹介になるとは全く思いませんが、ただ一つ、本編の絶望的な空気感を伝えるという分においては、大変良い仕事をしたといえるのではないでしょうか。とにかくこわい。

 

特別編「イルゼの手帳」のハイライト

 

「リヴァイ? それは?」
「これは…イルゼ・ラングナーの……戦果だ」

 

リヴァイはキャラの立ち位置的に、突出しがちで協調性のないジャイアント・ハンター、みたいなイメージに見られやすいのですが、実際は、人類に対しての責任を明確に背負う頼れる兄貴なんですよね。
イルゼの手帳は、こうして調査兵団に継承されていくことになります。

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第19話「まだ目を見れない」

あらすじ

『君は公のために命を捧げると誓った兵士である
…違わないかい?』

 

壁の中央に住まう市民は、5年前のように混乱していた。
『超大型巨人出現によるトロスト区陥落と、その後の奪還作戦の成功、及び扉の封鎖』
そんな王政側の簡素な発表内容からは、最も肝心な部分が抜けている。

 

「一度破壊された壁を塞いだって? どうやって!?」
「嘘に決まってる! これは王政側の発表だ。俺達内地の人間を騙すためにそんな嘘を触れ回っているんだ」

 

扉の封鎖が不可能なことなど子供でも知っている。
そもそもそれが可能ならば、5年前にウォールマリアが破られることだってなかったのだ。
不確かな噂に右往左往する住民たち。
そこに、また一人の男が新聞を手に飛び込んでくる。

 

「大変だ! この商会の回紙を見ろ!」
「お…おい…これはどういうことだ…巨人が…岩で扉を塞いだらしい。とか書いてあるぞ…」
「何だそれは…巨人が…味方したとでもいうのか…?」

 

商会の情報は、王政のお墨付きを得ていない。何が本当で、何が嘘なのか。人々はただ混乱していた。

 

ネタバレ感想

トロスト区編、訓練兵編、そして前回の特別編を挟んでの洋々の新章開幕ですね!
巨人化の力を備えたエレンは救世の英雄として、その力を早速人類のために役立てる…と行きたいところですが、そうは問屋が下ろしません。
トロスト区封鎖を成し得たのは確かにエレンの功績ですが、同時にエレンは制御すら定からぬ怪物です(少なくとも、多くの人々にとっては)。エレンが晴れて人類社会の一員として認められる為には、兵法会議にて自らの潔白、及び人間性を明かさなければいけません。

 

エレンを解剖した後「英霊になって貰う」と主張する憲兵団。
エレンを管理下に置き、エレンの力でウォール・ローゼ奪還を果たすとする調査兵団。
そこに内地の住民、商会関係者、果てはウォール教なる怪しげな宗教団体までもが出てきて、裁判場は大騒ぎ。事はエレン一人の処遇にとどまりません。人類が攻勢に出るか、守勢に回るか。問われているのはそこなのです。

 

…と真面目に書いてみましたが、個人的には裁判そのものよりも、裁判中のミカサの反応の方がより面白かったり。エレンを心配そうに見守り、エレンに不利な証言が出ると露骨に舌打ち。上官であるリコを目で脅し、エレンを殴ったリヴァイに対して、アルミンが止めなければ彼女は普通に襲いかかっていたでしょうね!

 

「あいつもだ! 人間かどうか疑わしいぞ」

 

なんて言われてましたが、名も無きモブキャラのその懸念は大変よく理解できます(´∀`;

 

19話のハイライト

「この…腰抜け共め…いいから黙って全部俺に投資しろ!!」

 

裁判中のエレンの台詞より。
なんとなくここだけ切り取ると、カ○ジかナニ○金融道辺りの漫画みたい。言って直ぐ後悔する辺り、まだまだエレンも吹っ切れてはいないようです。

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第20話「特別作戦班」

あらすじ

『もし…それが仮にもし…リヴァイ兵長のマネしてるつもりなら…本当に…やめてくれない?
イヤ…まったく共通点とかは感じられないけど…』

 

森の小道を騎馬で進む一行の前に、石造りの古城が現れた。
高い尖塔、そびえ立つ石壁。非現実的なほどの規模を誇る「壁」とは比べられないにしても、人の手による建造物としては随分立派な建物だ。

 

「旧調査兵団本部」
オルオが、傍らのエレンにそう説明をする。

 

「古城を改装した施設ってだけあって…趣とやらだけは一人前だが…
こんなに壁と川から離れたところにある本部なんてな、調査兵団には無用の長物だった。まだ志だけは高かった結成当初の話だ…。
しかし…このでかいお飾りがお前を囲っておくには最適な物件になるとはな」

 

オルオの言葉に耳を傾けつつ、エレンはこっそり後ろを振り返り…そして、自分を監視するリヴァイの視線に気が付き、慌てて前へと向き直る。
調査兵団特別作戦班、通称「リヴァイ班」。
彼らは、未だ不安定なエレンを守り、同時に監視する為に編成された、調査兵団最精鋭にして巨人殺しの達人集団である。公私に渡って彼らの監視を受け入れることが、エレンが調査兵団に所属する際に提示された条件の一つであった。

 

(オレが暴走した時は…この人達に殺されることになる)

 

ネタバレ感想

遂にエレンも調査兵団の一員となり(多少変則的な形ではありますが)、リヴァイを始めとする調査兵団メンバーとも合流。これより、調査兵団編が正式にスタートするわけです。

 

だがしかし、リヴァイ班中心の話かと思いきや、今回は驚きのハンジの回に!
変人揃いの調査兵団でもとびきりの変人であり、巨人フリーク。一度巨人の話をすれば誰からも漏れなくどん引かれるというハンジ・ゾエ分隊長の魅力を、余すところ無く味わえる回なのです。
他の漫画なら、白衣を着て高笑いをするマッドサイエンティスト・ポジでしょうか。朗らかに巨人に語りかけ、泣きながら巨人をゴーモンする。その立ち振舞の一つ一つから、尋常でない精神性が伺えます。

 

けれど、そこが変革を求める集団、調査兵団の真髄。
調査兵団のお披露目回とも言える今回の話ですが、ハンジの興味や目標は進撃の巨人の世界そのものにまつわる謎に直結しているのです。

 

20話のハイライト

「実験…ですか? オレが何を…?」
「それはもう…最高に滾るヤツをだよ」

 

今回のベストシーンはここです。
しょっちゅう殺し合いばかりしているこの漫画において、ここまであからさまに嬉しそうな表情を見せるのは、実はハンジさんくらいのものだったりします。
彼女の話を一晩聴き続けたエレン、君こそ男の中の男だぞ!

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第21話「開門」

あらすじ

『オレはな…
誰かに説得されて自分の命を懸けているわけじゃない
こればかりは自分で決めずに務まる仕事じゃねぇよ』

 

「最後にシャフトを交換したのはいつだ?」
「6日前の掃討作戦の後です」

 

自らの立体機動装置を前に、ずらりと整列する訓練兵達。被験体である、2体の巨人が殺された。
見張りの目をかいくぐり、二体を同時に殺して立体機動装置により逃走。その手口からも、これが2人以上の手による計画的な、しかも訓練を受けた兵士による犯行であることは明白だ。

 

「それで俺ら訓練兵の中で犯人捜しか…いるわけねぇよ」
「あぁ…皆今日まで続いた戦場の処理で憔悴しきっているのに」

 

憲兵が立体機動装置を一つ一つ見聞していく横で、訓練兵達がぼやく。
本来なら、今日は訓練の終わった彼らが新たな配属先を志願する重要な日である筈だった。それを犯人検めのために朝から憲兵に詰問されたのでは、意気があがらないのも無理は無い。
実際、訓練兵達は皆、整列しつつも気もそぞろ。
所属兵団の決定は、彼らにとって犯人探しなんかよりも余程切迫した懸案なのだから。

 

ネタバレ感想

エレンはすでに調査兵団に入ることが確定しています。それはエレンの特殊性を鑑みての、半ば強制的な措置ではありましたが、同時にエレン本人の希望通りの配属でもありました。

 

しかし第104期訓練兵である、同期の仲間達の所属はまだ決まっていません。
憲兵団か、駐屯兵団か。はたまた調査兵団なのか。
誰しも、エレンのように迷いなく調査兵団を目指せるわけではありません。まして、彼らは既に巨人との実戦を経験しているのです。志の高低だけで選べる進路ではないのです。
新兵勧誘式において、エルヴィンは訓練兵達に語りかけます。

 

「もう一度言う…
調査兵団に入るためにこの場に残る者は近々殆ど死ぬだろう」
「自分に聞いてみてくれ
人類のために心臓を捧げることが出来るのかを」

 

この回は、個人的に大好きであり、同時に胸の詰まる回でもあります。
実戦で、アドレナリンに浮かされて突撃するような勇気は、真の勇気ではありません。残ってもいい、残らなくてもいい。残らなくても誰に罰せられるわけでもない。自分の心と体だけを相談相手とし、ただその場に立ち続ける。
これが出来るものこそが、真に勇気のある者であると、私は思います。

 

21話のハイライト

「僕は…そうしなきゃいけない理由が理解できたら死ななきゃいけない時もあると思うよ。
…嫌だけどさ」
「そう…決めたんだ」

 

アルミンとコニー、アニ達の会話より。短く、二言三言言葉を交わしただけですが、印象深いシーンです。
もし読者であるあなたが“この先起こること”を知った上でこの文章を読んでいるのなら、是非、改めて原作のこのシーンを読み直してみて下さい。きっと、以前には感じ取れなかった機微が感じ取れるのではないかと思います。

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第22話「長距離索敵陣形」

あらすじ

『知っておくべきだ
エレンもオレ達も
オレ達が何のために命を使うのかをな』

 

「俺達特別作戦班はここだ。五列中央・待機」
「ずいぶん後ろなんですね」

 

矢印のような形に凸記号が並ぶ図面の、真ん中よりやや下。
グンタの指し示したその位置を見て、エレンは正直な感想を漏らす。

 

「この布陣の中で最も安全な配置だろうな。補給物資を運ぶ荷馬車よりも手厚い待遇だ。
この壁外遠征が極めて短距離なのも、お前をシガンシナ区に送るための試運転だからだ」

 

隊列のどこよりも安全な位置での参加。
それは、エレンのような新兵に対しては過ぎた厚遇と言えるだろう。勿論、ただの新兵に対してこのような配置がなされるわけはない。エレンの巨人化能力への期待、その存在の重要さを鑑みての結果であるが、一方でエレンはそのような待遇に戸惑いを覚える。

 

「…あのオレには…この力をどうしたらいいかもまだわからないままなんですが…
事をこんなに進めてしまって大丈夫でしょうか…」

 

それが、エレンの偽ざる心境であった。自分が力を持っている理由も、その制御方法すら曖昧なのだ。

 

トロスト区奪還作戦の際、多くの兵士達が巨人化したエレンを守るために死んでいった。
懸けられる期待の大きさに果たして応えることが出来るのか。それがエレンには不安だった。

 

ネタバレ感想

ついこの前調査兵団に入ったばかりだと思ったら、今回は(というか、前回のラストで既に)もう壁外調査に出発なのだから早いものですね。

 

今回の見所は2つ。
1つは前半、調査兵団に入団後に初めてエレンがミカサ達、104期の同期と顔を合わせたシーン。そしてもう1つは後半の、長距離索敵陣形の解説と演出そのものです。
ミカサ達とともにエレンに出会ったジャンは、エレンに対し幾つもの質問をぶつけました。
巨人化のこと、ミカサの傷のこと。その挙句、ジャンはこう言い放ちます。

 

「お前たち聞いたかよ。これが現状らしいぞ」と。

 

決して勘違いしないで下さい。ジャンは別に、エレンに嫌味が言いたくてこのようなことを言っているのではありません。
嫌味どころか、既にジャンはエレンに希望と、自らの命そのものを全額賭けている。賭けはもう始まっており、取り消しもききません。
だから、ジャンはエレンに対して応援をしているのです。俺達が賭けた分も頑張ってくれよ、と。

 

後半、壁外に出た調査兵団は、エルヴィンの指示の下長距離索敵陣形を展開させます。
広範囲に散らばせた兵員をレーダー代わりに働かせることで、本隊の足を止めること無く、全軍の進路をリアルタイムに変更、決定するこの陣形は、非常に理に適ったシステムであり、見ていても大変面白い。

 

…ただ「すごい、やったね!」と、悠長には進まないのがこの作品のお約束。
調査兵団の生存率を飛躍的に向上させたというこの索敵陣形に対し、いきなり強大な敵が現れます。その敵が何なのかについては……本編で是非ご確認下さい!

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