進撃の巨人 7巻

【進撃の巨人】7巻ネタバレ・あらすじ

第27話 | 第28話 | 第29話 | 第30話

 

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第27話「エルヴィン・スミス」

あらすじ

『そうだ…一つ聞きたいことがあった
お前の手足は切断しても大丈夫か? また生えてくるんだろ?
お前自身の本体の方だ。死なれたら困るからな』

 

巨大樹の森外縁部で、クリスタは樹の上にただ立っていた。
彼女の眼下を、大小の巨人達が彷徨い歩く。

 

『巨人を森の中に入れない』
その命令を遂行するのに、何も巨人と交戦する必要はない。巨人の目につく、しかし巨人の手の届かない高い枝の上に身を晒していれば、それで十分なハズだ。だが…

 

「…っ!」

 

クリスタが、声にならない声を漏らす。
一部の巨人達が、樹を登ろうとしている。
巨大な幹にしがみつき、うんうんと言葉を漏らしながら、巨人は少しづつ、無表情に樹を登り始める。

 

「あの…登ってきましたが…」
「そうだね。ここまで登ってこれたら私がどいてあげようかな」
クリスタの訴えに、彼女の上官はつまらなさそうに言葉を返す。
「でも、多分あと少ししたら…撤退命令が出ると思うけどね」
「それは…さっきから森の奥で鳴ってる爆発音と関係があるんですか?」

 

ドォォォオォォォ

 

クリスタの言葉に被さるようにして轟く、爆発音。
遠雷のように響くその音が何なのか、クリスタには判らなかった。

 

ネタバレ感想

女型の巨人、捕らえられる!!

 

無我夢中で訳もわからないまま、とにかく仲間を信じて逃げに逃げたエレンとリヴァイ班。
彼らの努力と信念は報われました。エルヴィンの指示で放たれた無数の矢尻が女型の巨人に食い込み、ワイヤーでその巨体を拘束します。

 

「これが調査兵団の力だ!! 舐めてんじゃねぇぞこのバカ!」
その瞬間、オルオが叫んだ、その気持ちも分かります。
まさに調査兵団の、人類の勝利と言っても過言ではないでしょう。

 

女型の巨人捕獲作戦。
蓋を開けてみれば、つまりは今回の遠征そのものがこの作戦の為にあったのでした。団員に対してすら作戦の存在は極秘にされ、ごく一部の古参兵のみが協力する秘密作戦。
しかしエルヴィンは、何故そんな持って回ったやり方をしたのでしょうか?

 

今回、ジャンとアルミンの二人は、こんな会話を交わしています。
「そんな大作戦を一部の兵にしか教えなかった理由もこれしか考えられねぇ。人為的に壁を壊そうとする奴らが兵団の中にいるってことだろ?」
「うん…僕もいると思う。多分…団長はそう確信している」

 

知性ある巨人、人が変化してできる巨人。
そうしたエレンの存在は、今まで全く思慮の外であった「巨人勢力に対する内通者」が存在し得る可能性を表しており、エルヴィンは兵団内の内通者を騙し、釣り出すために、作戦計画そのものを団員に対してすら秘密にしたのです。

 

エルヴィンの計画により、女型の巨人は捕まりました。
その成果が、作戦の意味すら分からぬまま死んだ兵士達の命、膨大な軍事的損失に見合うものであるかは、捕獲した女型の巨人からどんな情報が得られるかに掛かっています。

 

27話のハイライト

「大して長くも生きてないけど、確信していることがあるんだ…」
「何かを変えることの出来る人間がいるとすれば、その人はきっと…大事なもの捨てることができる人だ
化け物をも凌ぐ必要に迫られたのなら、人間性をも捨て去ることができる人のことだ」
「何も捨てることができない人には、何も変えることはできないだろう」

 

エルヴィン団長を、アルミンはこう言って評価しました。
個人的にこの台詞は、これからの暗い未来を暗示しているかのようで薄ら寒い思いすらします。エレンやアルミン達は、果たして今後、一体如何なるものを捨てて行くことになるのでしょう…。

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第28話「選択と結果」

あらすじ

『お前ら…
二人とも初陣でションベン漏らして泣いてたくせに…
立派になったもんだな』
『ぎゃああああ』

 

巨人達が、女型の巨人に群がっていた。
調査兵団の兵士達に背後から切り刻まれようとも、お構いなし。既に動きを止め、蒸気を吹き上げ始めた女型の巨人の肉に食らいつき、引き千切る。

 

「総員撤退!!」
エルヴィンが声を張り上げ、指示を飛ばす。
「巨人達が女型の巨人の残骸に集中しているうちに馬に移れ! 荷馬車はすべてここに置いていく! 巨大樹の森西方向に集結し陣形を再展開! カラネス区に帰還せよ!!」

 

エルヴィンの、それは実質的な敗北宣言に等しかった
これだけの布陣を敷いたのにも関わらず、調査兵団は女型の巨人捕獲に「失敗」した。死んだ女型の巨人からは何の情報を得ることもできない。女型の巨人は、文字通りに全てを捨て去る覚悟があったのだ。

 

「審議所であれだけ啖呵切った後でこのザマだ…
大損害に対し実益は皆無。このままのこのこ帰った所でエレンや俺達はどうなる?」
不満気なリヴァイの言葉に、しかし、エルヴィンは表情を崩さない。
「帰った後で考えよう。今はこれ以上損害を出さずに帰還できるよう尽くす」

 

エルヴィンは樹上から、眼下の肉の山に視線を向ける。
女型の残骸、それに群がる巨人、兵士達に殺された巨人達の躯。
それらが一塊となり、噴出された蒸気が視界を覆っていく。

 

「…今はな」

 

ネタバレ感想

一時は完全に捕獲に成功したと思われた女型の巨人でしたが、「森の外より呼び寄せた巨人に、自らの体を喰らい尽くさせる」という、女型の巨人の取った常識外の奇策によって作戦は破綻。調査兵団は何ら成果を挙げぬまま、撤退を余儀なくされます。

 

「選択と結果」というタイトル通り、今回の話のテーマは「選択」です。
仲間を信じ、協力し、経験から類推し、メリットデメリットを秤にかけ、最善を尽くす。
それが出来れば完璧です。
そんな選択を掴み取ることが出来れば何の文句もありません。…いや、ないはずなのです。

 

エルヴィンは言います。
「今回敵と対峙して感じたことだ。最善策に留まっているようでは到底敵を上回ることは出来ない」

 

エルドは言います。
「俺達3人で女型の巨人を仕留める! エレンはこのまま全速力で本部を目指せ!!
これが最善策だ! お前の力はリスクが多すぎる!」

 

ペトラ
「私達のことがそんなに信じられないの?」

 

エレン
「進もう…。振り返らずに皆を信じて進めばきっと…それが正解なんだ。オレにもやっとわかった…」

 

そして、リヴァイ。
「俺にはわからない。ずっとそうだ…。自分の力を信じても…信頼に足る仲間の選択を信じても
…結果は誰にもわからなかった」

 

調査兵団の包囲から抜け出し、巨人の肉体を構成した女型の巨人は、再度リヴァイ班に襲いかかりました。
一方のエルド達は調査兵団最精鋭の意地とプライドに懸け、エレンを逃し、自分たちの力で女型の巨人に死闘を挑みます。

 

リヴァイ班vs女型の巨人。
この戦いの結果がどうなったのか、それは皆さん自身の目で確かめてみて下さい。

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第29話「鉄槌」

あらすじ

『オレがした選択で皆死んだ
オレのせいで…皆が…
…だけどやっぱり…
お前が悪い』

 

全力で戦場に駆け戻ったエレンの見たもの。
それはエルド以下リヴァイ班四名の死体と、その中心で屹立する女型の巨人の姿であった。

 

怒りの咆哮を上げながら巨人化したエレンは、片目、両腕の利かない女型の巨人を押し倒し、馬乗りの体勢のまま全力で左拳を叩きつける。
風を切り裂く巨人の豪腕。
女型の巨人は、辛うじて首を捻って拳を回避。
外れた拳が大地を轟かせる。あまりの衝撃に拳が砕け、腕が肘からへし折れた。
だがエレンは一顧だにせず、今度は右拳を振り上げる。
肉体が瞬時に修復する巨人に、肉体を守るためのリミッターなどは存在しない。拳が潰れるまで殴り、足が砕け散るまで蹴る。それが巨人の戦い方なのだ。

 

右拳の一撃。女型の巨人は、また躱す。
手首が折れ、鮮血が噴出す。エレンは、自らのダメージに気が付いてすらいないかのように、女型の巨人から視線を外さない。

 

怒りの感情がエレンを支配していた。
選択を間違った後悔。悔悟。死んだリヴァイ班のメンバーに対する悲しみ。
それら全てを、真っ黒な怒りが塗り潰す。

 

ネタバレ感想

絶妙な連携プレイで一度は女型の巨人を追い詰めたリヴァイ班ですが、皮膚の硬化能力をはじめとする特殊能力と、一般の巨人を遥かに超越した女型の巨人の圧倒的運動性能の前に敗北。エルド以下、オルオ、ペトラ、グンタの四名全て討ち死にと相果てました。彼らの死に怒りを爆発させたエレンは、遂に巨人体と化して女型の巨人に一対一の戦いを挑みます。

 

今回は巨人回です。巨人化エレンと女型の巨人、超大型の一騎打ち!

 

通常の巨人だと、せいぜい走り寄って掴みかかるか噛みつくかのどちらかですが、そこは知性ある巨人同士。しかもエレンは当然、女型の巨人にも格闘技の経験があるのは明白となれば、その戦いはスピーディーかつパワフル。派手の一言に付きますね。

 

身体のダメージをまるで意に介さず、殴った腕が折れようが潰れようがお構いなしの全力格闘。随分進撃の巨人の作風にも慣れてきましたが、これってもしかしてグロ画像ではないだろうか? と思ってしまうほどに凄惨な潰し合いが、これでもかと描かれる。
怒れる巨人。
自由を求める無垢な少年と並び、エレンというキャラクターが体現する、それがもう一つの「顔」なのです。

 

ただ、読者的には、エレンの怒りが進むに連れ、彼の心身がまるで巨人に取り込まれていくかのような描写があることが気になります。このまま一体化が進んだ時、果たしてエレンは本当に、また元の人間に戻れるのでしょうか…?

 

29話のハイライト

「オアェ!!」
「ガァッ!!」
「オアエア ガァッ オグアァァ!!」
「ガァ ォ オオグェ」
「ガアアア」

 

女型の巨人に対し、怒り心頭の巨人化エレンの吠え声。
この時点で大分人間辞めちゃってる感がありますね。原作の表現も強烈ですが、ここの叫び声は是非アニメの方も聞いてみるとお勧めです。ノリはまさに怪獣大決戦ですよ!

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第30話「敗者達」

あらすじ

『殺したいのなら潰すはず…
目標はわざわざ口に含んで闘いながら逃げています』

 

エレンは負けた。
巨人の首を飛ばされ、うなじから本体が抉り出される。
エレンを口に含んだまま逃げ出す女型の巨人を、一人、ミカサが追いかける。

 

走る、女型の巨人。
左手で急所である首筋を守り、全身から血と蒸気を吹き出しながら、全力で。

 

「返せ!」

 

ミカサが背後から、女型の巨人に斬りつける。腿の筋肉を削がれた巨人はたまらず転倒、地響きを鳴らして地に膝をついた。回復が早く、痛みすら感じていないかのように見える巨人だが、筋肉が物理的に断裂すれば走ることは出来ない。

 

風のように跳び、女型の巨人の体を縦横に削いでいくミカサ。
彼女の全身は返り血にまみれ、女型の巨人と同じく盛大に蒸気を吹き上げる。
遂に止めの一撃が首筋へ!
だが、鈍い音を立てて折れる刃。女型の巨人の皮膚硬質化が急所を守ったのだ。

 

「クッ!! なぜ!? 刃が…通らない!!」

 

反射的にワイヤーを巻き、巨人から間合いをとるミカサ。
女型の巨人を実際に見るのはこれが初めて。彼女は女型の巨人の持つ能力については何も知らない。
だが、そんなことは関係ない。
憎悪さえ滾らせる目を向け、換えの刃を引き出し、構える。

 

「…絶対生きてる。ごめんねエレン、もう少しだけ待ってて」

 

ネタバレ感想

第三十話「敗者達」。

 

リヴァイ班に続き、巨人化したエレンまでもが敗北。
最早なすすべもないように思える人類側戦力ですが、まだこの二人が残っていました。怒りに燃えるミカサと、人類最強の兵士リヴァイ。人類最強のツートップと言っても過言でもないこの二人と女型の巨人、最後の闘いの始まりです。

 

・今回の見所その一/『やっぱりミカサは強かった』
リヴァイ班の三人も相当に強いと思いましたが、その三人を打ち破った女型の巨人に単独で戦い、膝をつかせるミカサはやはり並の女ではありません。この世界に女型の巨人を超える「メス」がいるとしたら、それは間違いなくミカサです。ぶっちゃけ怖い。

 

・今回の見所その二/『やっぱりリヴァイは超強かった』
ミカサの鬼神のような戦いぶりに感心した読者は、今回披露されたリヴァイの超戦闘シーンには、更に度肝を抜かれることでしょう。強いというか、最早一人だけ別物です。チートですよ。リアル系格闘漫画に、いきなりサ○ヤ人が飛び込んできたかのような超戦闘力。
ミカサも大概化け物ですが、リヴァイはそのミカサの何倍も強かった!

 

長く続いた一連の壁外調査編も今回で終了です。
女型の巨人対人類最強の二人。戦いの行方は、是非ご自分の目でお確かめ下さい。

 

30話のハイライト

「絶対に…エレンは…生きてる」

 

「どこにいたってその女殺して…体中かっさばいてその汚いところから出してあげるから
ごめんねエレン。もう少しだけ待ってて」

 

女型の巨人と戦闘中の、ミカサの台詞より。
ヤンデレです。やばいです。
女型の巨人を、巨人ではなく完全に「女」扱いして殺意を向けているのが尚怖い。

 

しかしエレン、身長十五メートルの巨人にまでなっておいて、作中の立ち位置が完全に助けを待つヒロインになってますぞ! それでいいのか、主人公!

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