進撃の巨人 4巻

【進撃の巨人】4巻ネタバレ・あらすじ

第14話 | 第15話 | 第16話 | 第17話 | 第18話

 

無料試し読み・本編はコチラ
▼▼▼

「進撃の巨人」無料試し読みリンク

「進撃の巨人」で検索

 

第14話「原初的欲求」

あらすじ

『壁から一歩外に出ればそこは地獄の世界なのに
どうしてエレンは外の世界に行きたいと思ったの?』

 

呆れるほどに背の高い巨人。
その長い首の故か、既に急所に二度の斬撃を受けているのにも関わらず巨人は死なず、その手に握りこんだ兵士を離そうとはしない。
イアン班長等による更なる追撃。
四度もの斬撃により、ようやく巨人は建物の屋根に崩れ落ちる。

 

「やっとくたばったか! クソ野郎!!」
「下からもう一体来る! 避けろ!!」

 

横っ飛び。屋根の上に身を乗り出した新たな巨人の攻撃を、兵士達は辛うじて躱す。

 

「一旦距離を取れ!!」
「ミタビ班、配置を組み直せ!!」

 

辺りには多くの巨人達の死体が散らばっている。それにも関わらず、巨人達の数が減らないのだ。
続々と集結する巨人達に、兵士達は必死に抵抗する。

 

「ミカサ戻りました! ミタビ班に合流します!」

 

駆け付けるミカサ。
彼女は強力な戦力であり、他の兵士達も駐屯兵団の最精鋭だ。
それでも、それでも。エレンが目を覚まさない限り、彼らが戦いに勝つことはありえない―。

 

ネタバレ感想

第3話より続いていたウォール・ローゼの破壊、及びトロスト区奪還をめぐる一連の事件の決着が遂につく。今回はそういう話です。
沢山の出来事が起こりましたが、実は訓練兵団の解散式、そしてジャンとエレンが殴り合いの喧嘩をしたあの夜から、まだ丸1日も経ってないんですよね!

 

さて、今回のタイトルには原始的欲求とあります。原始的欲求とは何でしょうか。食欲?性欲?睡眠欲?
エレンにとっての原始的欲求とは、自由であることなのです。

 

遠くに行く。
見たこともない風景を見る。
風景そのものはなんでもいい。誰も見たことのないものを見る。
それがエレンにとっての自由の証、原初の欲求であり、彼が立って前へ進む原動力となるのです。

 

ある意味で、エレンは至極真っ当な少年漫画の主人公であるといえるでしょう。
まだ見ぬ未来へと心躍らせるやんちゃ少年という主人公像は、少年漫画ならお馴染みのキャラクターです。そんなキャラクターが「進撃の巨人」という、美しくも残酷な世界に投げ込まれた場合、一体どのような反応を見せるのか。

 

諦めないから、戦う。自由を得るために、戦う。
巨人化し、人類の希望を背負うエレンの心の中には今も、夢を夢見て自由に心を躍らせる、幼く純真な少年がいるのです。

 

14話のハイライト

今回は、あまり作中のシーンについて説明をすることは致しません。
この先、進撃の巨人がどれだけの長編シリーズとなったとしても、本回は必ずや「進撃の巨人」シリーズ屈指の名シーンとして語り継がれることでしょう。

- ページ上へ移動 -

第15話「個々」

あらすじ

『サシャ・ブラウス…貴様が右手に持っている物は何だ?』
『「蒸かした芋」です! 調理場に丁度頃合いの物があったので! つい!』

 

雪の降り積もる、貧しい土地。土地を耕しているのは老人と、年端もいかぬ子供たちばかり。
憲兵団の高官が、そんな開拓地を巡視する。

 

「…オイ…。ここは冬を迎える前にはとっくに耕地になってるハズだが?」
「し…しかし大半の労働者が1年前の奪還作戦に駆り出された後なので…」

 

頭を下げ、取り繕う兵士。
だが高官は事情を斟酌せず、一方的にノルマを課していくばかりだった。

 

「……巨人も見たことのねぇ憲兵隊が…よくもあそこまで胸を反らせるものだ」
「お前達…今年訓練兵を受ける年だろ? あんな兵士になるんじゃないよ…」

 

老爺の漏らす不満の声。その横で、目深にフードを被った老婆が子供達に言葉をかけた。エレン達だ。
幼い、訓練兵になる前のエレン達。
エレンやミカサは、振り返りもせずにその場を立ち去る憲兵たちを無表情に見送った。ただ一人アルミンだけが、憎悪に燃える視線を憲兵達の背中に投げかける。

 

「何が奪還作戦だ…口減らしに父さんと母さんを殺したくせに…
今に…見てろ」

 

ネタバレ感想

前回の話をもって、ウォール・ローゼ、及びトロスト区奪還に関わる一連の騒動は終結しました。
ここで一旦流れは区切られ、今回よりエレン、及びその同期の兵士達による訓練兵時代のエピソードがメインとして語られることになります。

 

覚えてるでしょうか。第2話のラストで名前の挙げられた、第104期訓練兵達のトップ十名。
その頃にはいっぱしの兵士のような顔をしていた彼らも、この時点では単なる子供。敬礼の仕方どころか、一般常識すら怪しい彼らが、如何に兵士として成長していくのか…。

 

「オ…イ…貴様は何をやってる?」
「?」 ムシャリッ
「なっ!?」

 

この「ムシャリッ」から続くサシャの一連の行動は、間違いなく今後訓練兵達に長く語り継がれる伝説となったことでしょう。多分「芋女伝説」とかそんな感じで(笑)

 

しかしエレンを筆頭に、今後明らかにされる分も含め、彼ら104期訓練兵達は曲者揃いですねぇ。
その曲者率はまるでどこぞの2-Aか5121小隊、第207衛士訓練小隊かという勢いで、果たしてこれは漫画的なただのご都合主義なのか。それともこれもまた大いなる伏線なのでしょうか?
まあ如何なる陰謀や思惑があれば、巨人化エレンと芋女を同期にまとめようなんて発想に至るのか、ちょっと私には理解できかねますが…。

 

15話のハイライト

今回の個人的イチ押しハイライトシーンはコチラ。

 

「オ…オイ!! お前何人の服で手ぇ吹いてんだ!? 何拭ったんだお前…!?」
「人との…信頼だ…」

 

こうして、ジャンとエレンの間に芽生えた信頼の芽は、コニーのシャツで拭われてしまったわけです。
信頼って、なんて儚い物なんでしょう。

- ページ上へ移動 -

第16話「必要」

あらすじ

『エレン・イェーガー。覚悟はいいか?
立体機動装置を操ることは兵士としての最低条件だ。できなければ開拓地に戻ってもらう。
…いいな?』

 

「基本通りにやればできるはず。上手くやろうとか考えなくていい」
「落ち着いてやればできるよ。運動苦手な僕だってできたんだから」

 

吊り上げ器の前で、エレンはミカサやアルミンからアドバイスを受ける。
エレンの腰に繋げたロープと、ロープを吊り上げる丸太の櫓。ロープで体を吊り上げてバランスを取るだけの簡単な訓練だが、それゆえに誤魔化しが効かず、これが出来なければ立体機動装置に対する適正がないとみなされる。そうなれば、兵士になることも不可能だ。

 

「…今度こそできる気がする。上げてくれアルミン!」
「いくよ」

 

吊り上げ器のハンドルを回すアルミン。
キリキリという音とともに、ロープが巻き上げられていく。
徐々にエレンの腰が浮き、地面から足が離れて……

 

「あ!?」

 

体が宙に浮いた瞬間、エレンの体は前のめりにぐるりと回転した。腰のベルトを支点に綺麗に回ったエレンは、そのまま勢いよく、頭を地面へ打ち付ける。

 

ネタバレ感想

訓練兵団に入団したエレンに襲いかかる試練。その試練の名前は「姿勢制御訓練」!
作中で、これまで幾多の苦難に見舞われてきたエレンですが、今回の厳しさはその中でも最上級ですね。
何せ、片手片足を失くし、巨人の胃液で溶ける寸前にも「諦めてたまるか!」なんて言っていたエレンが、訓練で死にかけ茫然自失。「オレ……どうすりゃいいんだ…」なんて弱音まで吐く有り様なのですから。

 

「…でもその覚悟の程は関係ない」
「は? 何でだよ。言ってみろ」
「兵士になれるかどうか判断するのはエレンじゃないから…」
「う…」

 

もう滅多打ちですね!
ミカサからは、兵士になるという夢そのものも全否定。鼻っ柱の強いエレンですが、姿勢制御訓練の失敗という事実を前にしてはぐうの音すら出せません。ぐう。
勿論、これは過去の話であり、読者である私達はエレンが立体機動装置を使いこなし、成績上位にさえ入ることを知っています。知っているのに、エレンの失敗に対してドキドキするから不思議ですね。でもほら、何か色々あるかもしれないし!?

 

訓練で散々な成績を記録したエレンに対し、明日、再テストが行われます。
今度また同じような状況になれば、エレンは容赦なく元の開拓地に送り返されることでしょう。エレンは少しでもヒントが得られないかと、仲間たちに頭を下げ、助言を得ようとしますが…。

 

16話のハイライト

「私は…エレンだけ開拓地に戻れと言ってるんじゃない…その時は私も一緒に行くので…
だから…そんなことは心配しなくていい」
「ん? えーと? つまり?
それもらってもいいってことですか?」

 

先ほどまでエレンが座っていた席に、何故か腰を掛けているサシャ。
テーブルの上のパンを物欲しげに指さすサシャに対し…ミカサはものも言わずにパンを自らの口に詰め込んだ。
パンを貰えずに、真顔になるサシャ(笑)

- ページ上へ移動 -

第17話「武力幻想」

あらすじ

『やれよライナー
兵士としての…責任を…教えてやるんだろ?』
『あぁ…兵士には引けない状況がある。今がそうだ』(この後宙を舞う)

 

木製の訓練用短刀を腰溜めに構え、エレンに向かっていくライナー。
エレンはライナーの突進を肩口で受け止めつつ、背負い投げの姿勢から一気に投げ飛ばす。

 

「ふん――!!」

 

ライナーの巨体が弧を描き、土の地面の上に落とされる。重い衝撃音。

 

「まったく…俺の巨体を投げ飛ばすとは…。お前取っ組み合いに慣れてやがるな?」
「街にいた頃は体ばっかでかいガキ大将が遊び相手だったからな…」

 

エレンの差し出した手を借り、ライナーは立ち上がった。
2人の周囲でも、同様に沢山の訓練兵達が取っ組み合いを行っている。これは刃物を持った相手に対する格闘術の訓練だ。木剣を手にした悪漢役と、それに対する兵士の役。

 

入団より、早2年。
姿勢制御訓練で危うく除隊の危機に陥ったエレンも、今では兵士としての道を順調に進みつつあった。

 

ネタバレ感想

入団から2年が過ぎ、エレン達の訓練期間もようやく折り返しを過ぎた頃でしょうか。
今回は割と地味な回かも知れません。まず「武力幻想」なんてタイトルからして文学的ですよね。
最初、右も左もわからなかった頃から少しだけ成長したエレン達は今回、対人格闘術という一見対巨人闘争には不要な技術の訓練を通して、兵士としての心得、心構えなどに初めて正面から向き合うことになります。

 

実際、兵士とは何でしょう?
この世界の「兵士」は、いわゆる意味での「兵隊さん」とは非常に異なる立ち位置に存在しています。

 

その最大の違いは、彼らは人を相手にした存在ではないということ。
この世界の「兵士」は巨人と戦うための存在であり、同時に極めて高度な訓練を施された志願兵です。どれだけチャランポランに見えても、少なくともこれまでの作中で、立体起動ができない兵士が描写されたことはありません。

 

国家、公共、王家、人類の為にその心臓を捧げる兵士達。
彼らは何のために格闘術を覚え、何のために立体機動術の修練に励むのか。安全な内地で憲兵として務めるだけなら、これほど無駄な技術もないはずなのに。

 

兵士としての責任を口にするライナー。訓練を茶番だと言い切るアニ。立体起動術を内地への切符と割り切るジャン。
達観し、如何にもわかったような口を叩く彼、そして彼女達ですが、実際のところは十代前半の子供に過ぎません。話をし、ぶつかり、感情をぶつけ合いながら、彼らは徐々に兵士として成長して行きます。
しかし、それは否応なしに、あの解散式翌日の悲劇へと繋がる道でもあるのですが…。

 

17話のハイライト

「今しがた大きな音が聞こえたが…誰か説明してもらおうか…」
「サシャが放屁した音です」
「えっ!?」

 

はい、私サシャ好きです(´∀`*)
もうすっかりお馬鹿ないじられキャラとして定着しております。本当は、アニとのフラグをボッキリへし折ったラストのエレンと、どちらがこのコーナーに相応しいか随分迷ったのですが…。
そして次回はジャンの主役回。そしてまた、訓練兵編の終わる回でもあります。お楽しみに!

- ページ上へ移動 -

第18話「今、何をすべきか」

『てめぇに教えてもらわなくてもわかってんだよ
戦わなきゃいけねぇってことぐらい…
でも…わかっていても てめぇみたいな馬鹿にはなれねぇ…
誰しもお前みたいに…強くないんだ…』

 

降りしきる雨の中、完全装備の訓練兵達が駆け足で行軍をする。
頼りは薄い外套が一枚。冷たい雨とぬかるんだ地面が、訓練兵達の体力を容赦なく削りとっていく。

 

「どうしたアルレルト。貴様だけ遅れているぞ!」

 

騎馬で並走する教官から、最後尾のアルミンに対して叱咤が飛ぶ。

 

「貴様には重いか!? 貴様だけ装備を外すか!?」
「ハ…く……くそっ…」

 

焦点の定まらぬ目。
アルミンは必死に隊列に追いすがるが、徐々に遅れ始める。

 

「貸せ、アルミン! このままじゃ不合格だぞ」

 

ライナーが、走りながらアルミンのバックパックを取り上げた。二人分の重い装具を担ぎながら、それでもライナーの足並みは乱れない。

 

「そ、そんなことしたらライナーまで不合格に…」
「バレねぇように尽くせ…! 俺の気が変わらねぇうちにな!」

 

ライナーの申し出はありがたい。実際に、彼の屈強な体格であれば、アルミン一人分の装具を背負っても尚余裕は有るだろう。だが、人の援助に一方的に甘えることだけは、当のアルミン自身が許さなかった。

 

「お荷物なんか死んでもごめんだ」

 

そう言って、アルミンはライナーからバックパックを奪い取り、自らの足で再び走りだす。

 

ネタバレ感想

前回から、エレン達は更に訓練を積んだようです。
作中で日時が明言されているわけではありませんが、「試験」「合格」などの言葉が散見されることから、恐らく第104期訓練兵団としての訓練終了間際の情景なのでしょう。訓練兵達は立体機動装置の扱いにも慣れ、巨人を模したダミーに対しての攻撃訓練も手慣れたもの。訓練兵に対する教官の評価からも、ミカサを筆頭に、成績上位の者達に高い期待が寄せられているのが分かります。

 

試験終了後、和やかに言葉を交わす訓練兵達。エレンとジャンの口喧嘩すら最早いつもの事。読者にも、長い間に培われてきた強い信頼感が彼らの間を繋いでいるのがハッキリと見えるはずです。
だからこそ!その次のページに、読者は大変な衝撃を受ける筈です。

 

訓練兵時代は終わりました。
過酷ではあっても、それは間違いなく幸せな、少年少女たちの青春時代。訓練兵として彼らが何を得たのか。
そしてトロスト区に対する巨人たちの襲撃が、彼らから何を奪ったのか。

 

最も残酷な形でそれを目の前につきつけられた訓練兵達は、そこである決断を行います。

 

18話のハイライト

「怒らずに聞いてほしいんだけど…」
「ジャンは…強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。
それでいて現状を正しく認識することに長けているから、今、何をすべきかが明確にわかるだろ?」
「まあ…僕もそうだし大半の人間は弱いといえるけどさ…それと同じ目線から放たれた指示なら、どんなに困難であっても切実に届くと思うんだ」

 

恐怖と絶望に打ちひしがれたジャンの胸の内に響く、マルコの言葉。
弱い人間であるジャンは、強靭なエレンやミカサからは得られない、読者の「等身大の共感」を呼ぶキャラクターでもあります。そんな彼が下した決断の重さを、どうぞ噛み締めて下さい。

- ページ上へ移動 -


inserted by FC2 system